アルコール依存症の施設の探し方|当事者のご家族に向けて
近年、日本におけるアルコール依存症の患者数は増加し、その数は約80万人とも言われています。
そうした背景もあってかアルコール依存症を専門的に治療する施設や病院も徐々に増えてきました。
しかし、専門病院や行政機関、NPOなど様々な種類があり、どこに相談すればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな悩みを抱えている方々に向けて、アルコール依存症の治療施設について、その特徴や相違点などを細かく紹介していきたいと思います。
この記事を通して自分たちに合った施設が見つかれば幸いです。
目次
1.アルコール依存症とは
施設について紹介する前に、まずはアルコール依存症について簡単に説明したいと思います。
アルコール依存症とは、飲酒行動を自身でコントロールできなくなる病気のことです。
アルコール依存症になると、体内のアルコール濃度が下がった時に手足の震えや発汗、幻覚、不眠、イライラといった症状が現れます。
こうした症状は「離脱症状」と呼ばれています。
アルコール依存症者は、離脱症状から逃れるために飲酒を繰り返してしまいます。
また、アルコール依存症は本人の身体だけでなく、その周囲の人間関係や社会生活にまで影響を及ぼすことがあります。
何よりもお酒を優先する生活になり、家族関係や仕事でトラブルが起きてしまったり、アルコール依存症の症状が原因で暴力や飲酒運転をしてしまったりもします。
もしかすると、この記事をお読みの方の中には「家族がアルコール依存症なのでは?」と心配に思っている方もいるかと思います。
そんな方々はぜひ以下のサイトでも紹介されている「アルコール依存症WHOチェックシート」などを参考にしてみて下さい。
参考:アルコール依存症WHOチェックシート アルコール依存症ナビ
2.アルコール依存症に関する3つの施設
実際にアルコール依存症の施設について紹介をしていきたいと思います。
アルコール依存症の施設は大きく分けて「医療機関」「自助グループ」「施設」の3つがあります。
それぞれの特徴について順に見ていきましょう。
①医療機関
まず思い浮かべるのが医療機関での治療だと思いますが、医療機関は「一般病院」と「専門病院」の2種類に分けられます。
「一般病院」では、アルコール依存症を専門的に扱っているわけではないため、薬物療法による離脱症状の緩和や合併症の治療などが中心となります。
これらの治療はアルコール依存症に対する直接的な治療ではありませんが、しっかりとした日常生活を送り、精神療法やリハビリテーションに取り組んで行く上で欠かせない治療です。
一方、「専門病院」ではアルコール依存症に特化した治療が行われます。薬物療法だけでなく、認知行動療法をはじめとした精神療法、ARP(アルコールリハビリテーションプログラム)などが行われます。
お酒に対する考え方を変えたり、もともと抱えていた悩みを解決したりと、依存症の原因に対する直接的な治療も行われます。
医療機関での治療は、入院するか通院するか、保険に入っているか等で料金が変わって来る場合がありますが、医学的な知見から治療が行われるため、安心できる部分も多いと思います。
料金については以下の記事でも紹介しているので、詳しく知りたい方は是非こちらもご一読ください。
また、依存症を扱っている専門病院を探すのは難しいと思います。
国立病院でもある久里浜医療センターのホームページでは依存症の専門病院の一覧を見ることができるので是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考:独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 依存症専門病院リスト
②自助グループ
自助グループとは、アルコール依存症の当事者たちが主体的に集まっている団体のことです。
互いに悩みを聞いたり、励まし合ったりすることで依存症の克服を目指します。
自助グループでは、医師やカウンセラーはいないことが多く、参加費についても任意で献金をするという仕組みが多いです。
そのため、医療機関での治療と並行して通われたり、退院後に定期的に通われたりすることが多いです。
代表的なものには全日本断酒連盟やAA(アルコホーリクス・アノニマス)、アラノン家族グループなどがあります。
団体によって用意されているプログラムも変わってくるので、興味のある方は各団体のHPから是非確認して見てください。
参考:全日本断酒連盟, AA日本ゼネラルサービス, アラノン家族グループ
③施設
専門的な医療機関とは別に、アルコール依存症からの回復を専門的に扱う施設も存在します。
私たちヒューマンアルバ もこのカテゴリーに分類されますが、施設ではアルコール依存症に対する専門的なプログラムが用意されており、スタッフと共に依存症からの回復を目指します。
プログラムの内容は施設によって異なりますが、住居支援や就労支援に力を入れているところ等もあり、それによって料金体系も様々です。
当事者の症状や施設の環境、プログラムの内容と照らし合わせながらご自身に合った施設を選ぶことができると思います。
3.まとめ
今回はアルコール依存症の治療施設について紹介をしましたが、いかがでしたか?
要点をまとめると以下の通りです。
- ①アルコール依存症の治療施設には「医療機関」「自助グループ」「施設」の3つがある。
- ②治療内容や料金体系などは異なる部分が多く、それぞれに特徴がある。
- ③当事者の症状や治療の目的に合わせて、自身にあった施設を選ぶことが大切。
アルコール依存症を扱う施設や病院は徐々に増えて来ましたが、どこに行けばいいかわからないと悩んでいた方も多かったと思います。
この記事を通してご自身に合った施設が見つかれば幸いです。
私たちヒューマンアルバも依存症を扱う施設として活動をしています。
無料で相談を受け付けておりますので、いつでもお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから↓
社名: 株式会社ヒューマンアルバ
住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7
TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)
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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会』を開催しております。
依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。
・つらい思いを吐き出す場として
・状況を変えていく学びの場として
ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)
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参考:
ライター名: 田中瑞樹