ギャンブル・アルコール・薬物など依存症におけるカウンセリング
依存症にカウンセリングがどれだけ効果的かご存知ですか?
カウンセリングという言葉は聞き馴染みがあるかと思いますが、実は依存症治療にとっても非常に効果的な方法のひとつであると言われています。
身近だけどよくわからない「カウンセリング」について、正しい知識を得て、回復への道を歩んで行きましょう。
この記事があなたの回復の手助けとなることを願っています。
目次
1. 依存症とは
依存症とは、自分にとって利益にならないだけでなく不利益になると理解していても、やめることができない病気です。
依存症当事者の多くの方が、行動をコントロールできずに依存対象(薬物やアルコール、ギャンブル等)を強く渇望してしまい、結果として日常生活を送ることが困難になっています。
依存症の代表的な種類は大きく物質や行為、他者との関係性に依存するものに分かれます。
【物質や行為】
・ギャンブル依存症
・アルコール依存症
・薬物依存症
・インターネット依存症
【他者との関係性】
・人間関係の依存、共依存
2. カウンセリングは依存症治療法の1つ
一度陥ってしまうと抜け出すのが非常に難しい依存症ですが、適切な専門機関での長期的な治療によって回復させることができます。
その1つが「カウンセリング」です。
カウンセリングとは、臨床心理士やセラピストによる面談療法です。
2-1 カウンセリングはどういったときに受けるべきか
ここでいうカウンセリングとは心理士による心理的な援助を指します。
なので、何か「依存に対する悩み」があるときならばいつでも受ける意義がある治療法といえます。
そして、依存関係の悩みがある、かつ下記の条件を満たす際は是非受診してみるべきでしょう。
・本人が考えて話せる状態にある場合
・依存症の背景に心理的・社会的問題がある場合
・経済的に受診可能な場合
・本人がカウンセリングに肯定的である場合
2-2 カウンセリングの内容は?
カウンセリングは、悩みを訴える人の相談に応じ、精神医学の立場から助言や指導をすることです。
具体的に説明すると、カウンセリング治療の具体的なステップは2つに分けられます。
ステップ1)状況の共有
事前用紙にご相談内容をご記入いただき、その内容をもとにカウンセラーが質問をします。
・どんな症状や問題について相談したいのか
・どのくらい苦しんでいるのか
・その症状や問題がいつから、どう始まっているか
話していく過程で、少しずつ落ち着いていき頭が整理されます。
ステップ2)原因や背景の探求
次に、症状が出ている原因や背景をひも解いていきます。
依存に陥る場合、その人の幼い頃の環境や出来事に根本的原因があることが多いです。
それを解き明かすため、どのような家庭環境の中で、どのような出来事があって、その時どのような葛藤やストレス、トラウマが生じたのかを、カウンセラーとともに振り返っていきます。
たとえば、何人家族で、家族はどのような性格なのか、家族の中でどのような役割だったのかなど、家族構成や家族との対人関係、どのように育ったかをお聞きします。
このようにして、あなたは自分を客観的に理解することができ、セラピストはあなたの苦しみの背景を理解していきます。
何が依存症の原因となったのか、過去を解きほぐし、一緒に探していきます。
これが主なカウンセリングのステップです。
2-3 カウンセリングを受けることでどのような効果が得られるのか
カウンセリングの段階を踏んでいくと徐々に下記のような状態へと変わっていきます。
・自分の感情に共感できるようになる
・どんな自分も認められるようになる
・自分を好きでいられる
・楽に生きることができる
このようなプロセスを経て、以前よりもありのままの自分で生きられるようになります。
依存症からの脱却には直結しないよう思われますが、そんなことはありません。
そもそも、依存症に陥る原因は「生き辛さ」を感じる心にあります。
カウンセリングによって得られる気付きは生き辛さ解消のための回復へ進む第一歩なのです。
たとえば、下記の問いに関する気づきを得ることによって、少しずつ生き方を変えていけるようになるのです。
・依存症に陥った現象をどのようにとらえるか
・今後自分がどう働いていったらよいのか
・ストレスにどのように対処していったらよいのか
・自分をどうマネジメントしていくか
・どう生きていけばよいのか
依存症の原因についてはこちらの記事もご確認ください。
2-4 カウンセリングはどこで受けられるのか
カウンセリングは下記の機関にて受けられます。
・病院の精神科、または心療内科
・一般のカウンセリング専門機関
・一部の依存症治療施設
カウンセラーとの相性や用いる手法が効果に大きく関わってきます。
あなたに合った相談機関を探してください。
私たちヒューマンアルバでもご相談を受け付けております。
ぜひご連絡ください。
3. カウンセリングにかかる費用
カウンセリングの1回の費用はその医療機関によって大きく異なります。
医師によるカウンセリングは保険適用のうえ、1回(30分)あたりおよそ3,000円前後かかります。
医師以外によるカウンセリングは、通常保険が利きませんので、相談機関によりますが、1回(60分)あたり10,000円前後かかります。
また、カウンセリングは1回限りで効果が出るものではなく、継続する必要があるため、どうしても経済的な負担が大きくなります。
経済面の状況を鑑みながらカウンセリングを受診しましょう。
4. カウンセリング以外の依存症の治療方法
最後に、カウンセリング以外の依存症の治療方法について説明します。
依存症回復のための相談機関は大きく分けると3種類で、その種類によって受けられる治療法が変わります。
①病院(精神科・心療内科)
受診可能な治療法: 依存症教育、カウンセリング、入院治療など
②リハビリ施設
受診可能な治療法: 依存症教育、カウンセリング(一部の施設)、集団精神療法など
③自助グループ
受診可能な治療法: 依存症教育、集団精神療法など
各治療法の詳細についてはこちらの記事でご説明しています。
併せてご覧ください。
5. まとめ
今回は依存症の治療の1つである、カウンセリングについてお話していきました。
改めて内容を整理したいと思います。
- ①依存症という自身をコントロールできなくなる病気に陥った場合、役立つ治療法にカウンセリングがあります。
- ②カウンセリングはカウンセラーとの対話の中で、過去と現状を見つめ、生き辛さを解消していくことで根本的原因の解消を目指す治療方法です。
- ③カウンセリング費用は1回あたり3,000~10,000円と、相談機関によって大きく差があります。
自身のいまの状況を鑑みて、依存症であることを認め、回復への意志を持つことが大事です。
そのためにも、カウンセラーという存在や、適切な専門機関で相談をすることから始めましょう。
一人で抱え込まず「人を頼る」ことが回復への第一歩です。
私たちヒューマンアルバでも、依存症回復に向けた無料相談を行っています。
どんな小さなお悩みでも構いません。
あなたの意見を尊重しながら、回復に向けて共に歩んでいきます。
お気軽にご相談ください。
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社名: 株式会社ヒューマンアルバ
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参考:
・カウンセリング効果の実際は? こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
・西川京子『依存症 家族を支えるQ&A: アルコール・薬物・ギャンブル依存症 家族のメッセージを添えて』(2018) 解放出版社
ライター名: 木原彩