私はアルコール依存症?|依存症かチェックする4つの方法
「妻に『飲み過ぎ! アルコール依存症よ!』と言われました。少ししか飲んでいないのに...。」
「息子はお酒のせいで仕事に行けないんです...。アルコール依存症だと思うのですが...。」
自分や身近な人がアルコール依存症なのか、悩んでいる方は少なくないと思います。
アルコール依存症は「自分の意思でアルコールの摂取等をコントロールできない精神疾患」です。
2013年に行われた日本の疫学調査では、アルコール依存症の患者は107万人いると推定されています。
しかし実際に病院等を受診している当事者は4万人にとどまっているといわれています。
自分の飲み方がおかしいと思っておらず、受診へと至っていない方もあるでしょう。
この記事では、アルコール依存症かチェックする方法をご紹介します。
目次
1. アルコール依存症と4つのチェックリスト
4つの方法をご紹介しますが、あくまで目安です。
自分はアルコール依存症かもしれない」と不安に思われる方は、自助グループや専門の病院、もしくは私たちのような施設を頼って下さい。
①DSM-5
DSM5とは主にアメリカで使用される診断基準の1つです。
「米国精神医学会が作成する精神疾患・精神障害の分類マニュアル」と呼ばれ、2013年にアメリカで出版されました。
日本でもアルコール依存症だけでなく、精神疾患の診断をする際に使用されています。
ここではDSM-5におけるアルコール依存症の診断基準をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
DSM-5におけるアルコール依存症の診断基準
- ・意図したより大量、または長期間に使用
- ・使用を減らしたり制限しようとするが成功しない
- ・アルコールを得るため、使用するため、そこから回復するために多くの時間を費やす
- ・渇望
- ・反復的な使用により、職場・学校・家庭で責任を果たせない
- ・社会的、対人的な問題が起き、悪化しているにもかかわらず使用を続ける
- ・私用のために社会的、職業的、娯楽的活動を放棄したり縮小している
- ・身体的に危険な状況でも使用を反復
- ・身体的、精神的問題が悪化していると感じていても使用を続ける
- ・耐性
- ・離脱症
上記の診断基準に少し説明を加えます。
「渇望」とは「飲酒したいという強い欲望や強い切迫感」のことです。
・隠れてでも飲んでしまう
・お酒が手元にないと不安で、出かけてでも手に入れる
・仕事中、友人との会話中でも、お酒の事を考えている
これらの言動がある場合、「アルコール摂取」への渇望が考えられます。
「アルコール依存症における離脱症状」は、「体内のアルコール濃度が下がってきたときに起こる自律神経症状や精神障害、身体障害」を指します。
・イライラする
・微熱がある
・手が震える
・頭痛がする
・眠れなくなる
お酒を飲まないことでこれらの症状がある場合、「アルコール依存症における離脱症状」が起きている可能性があります。
②飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)
こちらはWHO(世界保健機関)に加盟する6か国が共同研究し、開発したスクリーニングテストです。
国際的にも使用されています。
危険・有害なアルコール使用、潜在するアルコール依存症を、簡単なテストで特定でき、日本でも広く利用されています。
③アルコール依存症スクリーニングテスト(CAGE)
4つの質問項目で簡単にアルコール問題をスクリーニングします。
各質問の頭文字をとって「CAGE」と呼んでいます。
久里浜医療センター:アルコール依存症スクリーニングテスト(CAGE)
1つ以上当てはまれば、何らかのアルコール問題を生じている可能性があります。
2つ以上当てはまると、アルコール依存症の疑いがあります。
④久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト(新KAST)
久里浜医療センターによって作られたスクリーニングテストです。
男性版、女性版に分かれています。
精度が高いとのことですので、試してみても良いかもしれません。
久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト:KAST(男性版)
久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト:KAST(女性版)
2. まとめ
最後に内容を整理します。
- ①アルコール依存症は「アルコール等の飲酒行動を自分でコントロールできない精神疾患」です。
- ②「DSM-5」「AUDIT」「CAGE」「新KAST」等を使用することで、ご自身(ご家族)がアルコール依存症の疑いがあるか、チェックできます。
- ③アルコール依存症は適切に第三者を頼ることで、回復できる可能性があります。
ヒューマンアルバでは、アルコール依存症を含む様々な依存症の方のサポートを行っています。
・アルコール依存症かもしれない、でも病院は怖い。
そうお思いの方、ぜひ私たちを頼ってください。
どんな些細なお悩みでも構いません。
ぜひ一度ご相談ください。
お問い合わせはこちらから↓
社名: 株式会社ヒューマンアルバ
住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7
TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)
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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会』を開催しております。
依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。
・つらい思いを吐き出す場として
・状況を変えていく学びの場として
ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)
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参考:
・村瀬嘉代子・津川律子事例で学ぶ臨床心理アセスメント入門(臨床心理学増刊4号)(2012)金剛出版
・松本俊彦『臨床心理学増刊第8号―やさしいみんなのアディクション』(2016)金剛出版
・日本精神神経学会 精神科病名検討連絡会(2014) DSM‒5 病名・用語翻訳 ガイドライン(初版) 精神神経学雑誌 第116巻 第6号(2014)
・小松知己・吉本尚監訳・監修 アルコール使用障害特定テスト 使用マニュアル(2011)三重大学大学院医学系研究科環境社会学講座 家庭医療学分野
・一般社団法人精神科看護協会(2017)精神科ナースのアセスメント&プランニングbooks アディクション・パーソナリティ障害の看護ケア 中央法規出版