あなたは大丈夫? スマホゲーム依存症になりやすい人の特徴とは
現代社会を生きる私たちに欠かせないスマートフォン(以下、スマホ)。
時間の確認や天気予報のチェック、ニュース記事の閲覧や友達とのやり取りなど、もはや私たちの生活をスマホ抜きで語ることは難しくなりました。
ソフトバンク社のスマートフォンをご使用の皆さんは、12月6日に発生した通信障害によって、大きな影響を受けたのではないでしょうか。
一方で、その利便性とは裏腹に「いつでも」「どこでも」繋がれる環境が、様々な社会問題を引き起こしています。
その代表の1つが「スマホ依存」です。
「気がついたら何時間もスマホを触っていた」
「SNSのチェックが習慣になっている」
「スマホが気になり、仕事や勉強に集中できない」
こうした相談が全国的に増えています。
「スマホ依存」でも、最近特に相談が増えているのが「スマホゲーム」に関わる事案です。
皆さんの中にもスマホゲームに熱中しすぎた結果、やめられなくなっていたという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、スマホゲーム依存症について、なりやすい人の特徴と一緒にお話していきます。
目次
1. スマホゲーム依存症とは
スマホゲーム依存症とは、長期間スマホでゲームを楽しんでいた結果、徐々にやめられなくなり、社会生活にも支障が出始める病気です。
現状「スマホゲーム依存症」という言葉が、広く医療の現場で使われているわけではありません。
しかし医療現場では、2018年に発表されたICD-11に記載されている「ゲーム障害(ゲーム依存症)」などが診断基準として使われています。
スマホゲーム依存を疑う際、もしかしたら以下のような疑問を持たれるかもしれません。
自分は果たして「単に熱中しているだけなのか」それとも「スマホゲーム依存なのか」
区別は難しいですが、基準としては以下が挙げられます。
「自分の意思でON/OFFの切り替えができるか」
「スマホゲームが生活の中心になっていないか」
(詳しいチェック方法などは後述していきます。)
オンラインゲームによる障害は日本だけの問題ではありません。
実は世界的にも患者数は増えており、各国ともに決して無視できない問題となっています。
2. スマホゲーム依存の現状と特徴
スマホゲーム依存の実態について、簡単にお話していきます。
もしかすると皆さんの中には、「スマホゲームにハマるのは、中高生や大学生などの若年層」という認識があるかもしれません。
ここはよく誤解されるのですが、実際には働き盛りのビジネスマンや主婦によるスマホゲーム依存も決して少なくありません。
夫や妻がやめられないケースも多数報告されています。
「最初は隙間時間を埋めるために遊んでいたのが、いつのまにか止められなくなってしまった」
こうした声はよく聞かれます。
スマホゲームの特徴として、ダウンロード自体が無料でも、必要に応じてストーリー内でアイテム(武器や防具、レアカードなど)を購入していくというシステムがよく見られます。
アイテムを購入せずとも遊べるゲームがほとんどなのですが、ゲームを有利に進めるため、あるいは「相手との戦いで勝ちたい」という思いから、お金が支払われていきます。
また、スマホゲームをする際には常時インターネットに接続されています。
そのため、昔のファミコンに見られるゲーム機とは異なり、随時アップデート(=ストーリーや新アイテムの追加)が行われていくのが特徴です。
そしてそうしたアップデートがあるからこそ、際限なく飽きずに続けられてしまうのです。
いつでもどこでも、「繋がれる」ようになったことは、スマホゲーム依存症が広がっている要因の1つと言えます。
2017年の国内ゲームアプリ市場規模は、初の1兆円を超え今後も増えると予想されています。
3. 依存症になりやすい人、なりにくい人
スマホゲームに依存しやすい人はどのような特徴があるのでしょうか。
ここからは、久里浜医療センター院長である樋口進先生の著書『スマホゲーム依存症』から取り上げていきたいと思います。
ぜひチェックしてみてください。
樋口先生は、将来ゲーム依存になりやすい人の特徴として、以下の項目を挙げています。
・ゲーム時間が長い
・ゲームにまつわる問題が多い
・ゲームを肯定する傾向が強い
・男性である
・母子・父子家庭である
・友人がいない(少ない)
・衝動性が高い
※少し補足をすると、上記の項目の他に「孤独感や疎外感を持っている」や「自己肯定感が低い」なども、ゲーム依存症になりやすい特徴として挙げることができます。
一方、ゲーム依存になりにくい人としては、以下の項目を挙げています。
・社会的能力が高い
・自己評価が高い
・行動の自己コントロールがうまくできている
・学校でうまくクラスに溶け込んでいる
・学校が楽しいと感じる
今挙げてきた項目はゲーム依存に関するものでしたが、これらはギャンブルやアルコールなど、他の依存症にも重なる部分があります。
ゲーム依存症にならないために、あるいは克服するためには、ゲーム時間を絶つ・減らす行為が必要ですが、それと同じくらい社会の中で自身(彼ら)の「居場所」を作っていくことも大切です。
「居場所」とは、彼ら1人1人が自信が持てる場所、あるいは安心できる場所を指します。
この項目では、スマホゲーム依存症になりやすい人とそうでない人についてお話していきました。
余談ですが、同じスマホサービスでも、女性は動画やSNSに熱中しやすく、男性はスマホゲームに熱中しやすいとも言われています。
こうした傾向も参考程度に留めておいてください。
4. あなたは大丈夫?依存症チェックリスト
以下では、自分(家族)がスマホゲーム依存症になっていないか確認するために、有効なチェックリストをご紹介します。
「国際疾病分類第11版(以下、ICD-11)」による診断基準です。
ICD-11はWHOによるあらゆる病気やケガの分類表で、行政などにも使用されています。
この11版で新たに盛り込まれた「ゲーム障害」では、以下の3つが記載されています。
・ゲーム行為に対する自制の困難
・日常活動や他の生活上の関心を越えたゲーム行為の優先性
・マイナスの結果にもかかわらず継続、あるいは高まるゲー
ム行為
※英語版をライターが訳
期間としては、12ヵ月が1つの目安です。
スマホゲームよりやや広範な解釈から作成されていますが、確認としてはおすすめです。
自分、もしくはご家族が依存症でないかチェックする上で、客観的な判断材料になります。
ぜひご活用ください。
この他にも、韓国政府が開発したK-スケールというスクリーニングテストも役に立つかと思います。
久里浜医療センターのサイトの方で簡単にテストできるので、こちらもご利用してみてください。
5. まとめ
今回は、スマホゲーム依存症について、その特徴や現状、チェック方法などをお話しました。
改めて整理します。
- ①スマホゲーム依存症は、社会生活に支障をきたす可能性の高い疾病の1つ
- ②一般に社会的な繋がりが強くない人がなりやすい
- ③診断ツールとしてはWHOのICD-11などがオススメ
私たちヒューマンアルバでは、ゲーム依存症を含めた様々な依存症の治療に取り組んでいます。
ご相談や質問があれば、ぜひ一度ご連絡ください。
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参考:
・樋口進 スマホゲーム依存症(2018) 内外出版社
・ファミ通ゲーム白書2018
・Gaming disorder ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics(2018)
・スマートフォン・スマホゲーム利用動向調査2017年12月 ゲームスタイル研究所
・ネット依存・ゲーム依存、30〜40代に増えていることをご存知か (2018.09.18)現代ビジネス
ライター名: ブランコ先生