薬物依存の後遺症|身体・精神に及ぼす影響について
一度薬物を使用しその行為が継続されると、使用していない時でも様々な症状が出てくる場合があります。
こうした症状は一般的に「後遺症」と呼ばれます。
薬物依存症を知る上で大切なのがこうした『薬物依存症による後遺症』への理解です。
一度薬物依存症から抜け出した方でも、後遺症が原因で再び元の状態に戻ってしまうケースは少なくありません。
後遺症に対する理解を深めておくことは、適切な対応や迅速な処置に繋がります。
また、依存症当事者である人たちの社会復帰をサポートする上でも、大きく寄与する行為です。
今回の記事では『薬物依存症による後遺症』について解説していきたいと思います。
目次
1. 薬物依存症とは
薬物依存症とは、覚せい剤・シンナー・大麻などの薬物を使いつづけることで徐々に心身に異常が生じ、自制が働かなくなってしまう病気です。
最初の乱用で問題ない場合でも、使用を継続することで徐々に日常生活に支障をきたし始めます。
代表的な薬物としては、脳の働きを活性化させる覚醒剤やコカイン、逆に脳の働きを抑制するヘロインや大麻などが挙げられます。
薬物の種類や特徴については以下の記事でもまとめています。こちらもぜひご覧ください。
2. 薬物依存症の後遺症
薬物依存症の後遺症は、使用薬物により様々です。
例えば、覚醒剤であればストレスや不眠等から生じるフラッシュバック(幻覚や妄想の再燃)が考えられます。
またシンナーであれば「手足のしびれ」や「失明」、「歯がボロボロになる」等が起こり得ます。
ただ、どの薬物であれ脳機能に働きかけ、依存薬物への渇望を植え付けるという点では大きく共通しています。
一度薬物を覚えた脳はその記憶を深く定着させ、自分の意思では克服できない状態を作り出します。
まさに「薬物依存状態」です。
薬物依存による後遺症は、自身の身体への被害はもちろんですが、周囲の人たちを巻き込むようなケースも少なくありません。
治療が済んだと思っていた頃にフラッシュバックが起こり、それによって家族や友人に暴言・暴行を行ってしまったという声もよく聞かれます。
また、妊娠中である母親の後遺症はお腹の子供への影響が考えられます。
薬物依存による幻覚などの後遺症は、早期に治療が進めば比較的容易に克服できますが、遅れれば遅れるほど克服の見込みは薄くなってしまいます。
薬物依存症にならないことがもちろん一番大切ですが、依存症になってしまった場合でも早めの対応が重要です。
薬物がもたらす身体への影響に関しては、厚生労働省の『あやしいヤクブツ連絡ネット』でも確認できます。
3. 薬物依存症になってしまったら
薬物依存症から回復するためには、まず依存症を専門とする回復機関に相談してみることが重要です。
これは後遺症に悩まされている方の場合も同様です。
上記でもお伝えした通り、依存症からの回復はなるべく早い対応が理想的です。
そうした迅速な対応が当事者はもちろん、ご家族を助けることに繋がります。
家族が薬物依存症になったことで、自分を責めてしまう方々も多く見受けられます。
しかし、どうか自分たちで問題を抱え込まないで下さい。
なるべく深刻な状況になる前に、ぜひ相談できる専門の治療機関へご連絡しましょう。
薬物問題の相談先に関しては、特定非営利活動法人であるアスクさんのサイトが参考になります。
私たちの施設でも相談窓口を開いています。料金等はかかりませんので、ぜひご連絡ください。
4. まとめ
この記事では薬物依存症の後遺症についてお伝えしていきました。
内容をまとめると、以下のようになります。
- ①後遺症にはさまざまな症状が生じ、周囲の人間も巻き込むことがある。
- ②依存症の予防、もしくは早期の治療が大切。
- ③治療が遅れても回復することは十分可能。
この記事をお読みの方の中には、長期間何もできずにいた方いらっしゃるかもしれません。
薬物依存の状態が長ければ長いほど、回復後も苦労することが多いのは事実です。
しかし、依存症専門の施設では決して依存症患者の方々を見捨てたりはしません。
私たちヒューマンアルバもその1つです。
一歩踏み出した時に、回復への道が始まります。
自分達で問題を抱え込まず、ぜひご連絡ください。
私たちの施設では、薬物依存症含め、さまざまな依存症に関する相談窓口を開いております。無料で受け付けておりますのでぜひご相談ください。
お問い合わせはこちらから↓
社名: 株式会社ヒューマンアルバ
住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7
TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)
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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会』を開催しております。
依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。
・つらい思いを吐き出す場として
・状況を変えていく学びの場として
ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)
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参考:
・和田清『薬物依存の脳内メカニズム』(2010)講談社
ライター名: ブランコ先生