病院、施設、自助グループ|ギャンブル依存症相談機関の違い
昨今、「ギャンブル依存症」という言葉が徐々に社会的にも認知されるようになってきているなと感じています。
ギャンブル依存症を専門に扱う団体も以前は数えるほどしかありませんでしたが、最近では少しずつ増え始めています。
しかし、いざギャンブル依存症を専門とする機関を調べてみると、
「病院」「施設」「自助グループ」などなど...
名称の異なる組織が散見され、自分たちの場合は一体どこに相談すれば良いのか、困惑してしまうことも少なくありません。
そこで今回の記事では、それぞれの組織について料金やサービス内容ごとに整理しまとめていきたいと思います。
目次
1. ギャンブル依存症に関する相談機関
依存症治療に関する組織
①医療機関
依存症の治療に関して、恐らく真っ先に思い浮かぶのが病院や診療所などの医療機関かと思います。
医療機関で受けられる対応は、その機関が依存症を専門として扱っているか否かで変わってきます。
依存症を専門とする病院では、「認知行動療法」や「集中内観療法」と呼ばれる依存症治療が進められます。
一方、一般の医療機関の場合、そのほぼ全ての組織が中毒症状に対する緊急対応や合併症への処置などを中心に治療が進行します。
料金としては、入院か通院によって、また保険の加入状況によっても違いが見られます。
以下の記事でもご説明しているので、併せてご覧ください。
医療機関を活用するメリットとしては、医学的な見地から治療が行われていく点です。
また、やはり心理的な安心感もあるかと思います。
留意点として、医療機関の役割はあくまで依存症患者の方々の回復の一歩を手助けすることであることは念頭に置いておいた方が良いでしょう。
医療機関の治療を終えたからといって、それで依存症から回復できるわけではありません。
再び依存状態に戻らないためにも、自助グループや施設との併用が必要です。
また、依存症を専門とする医療機関はまだまだ少ないという現状のため、通院や入院となると中々自宅周辺で見つけることは大変かもしれません。
②自助グループ
自助グループとは、依存症の当事者同士が主体となって活動している集団です。
同じ依存症の問題を抱える者同士が互いに励ましあい、依存状態からの脱却を目指していきます。
自助グループに当てはまる団体は、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)やギャマノンと呼ばれる組織などです。
治療プログラムとしてはミーティングという形式がとられ、各々が自身の体験を語り、自分たちの過去に向き合い、改めていくというかたちをとります。
グループの活動には、基本的に医師やカウンセラーは同席しません。
参加に費用はかからず、任意で献金を行うという仕組みを採用しているケースがほとんどです。
プログラムの細かい内容に関しては書く団体のHPを確認してみて下さい。
参考:GAホームページ, ギャマノン ホームページ
参加者の立場はあくまで対等なので、同じ依存症に取り組む者同士として連帯感を持ちやすいというのが特徴です。
③施設
ギャンブル依存症からの回復を専門としている施設では、治療プログラムを提供するスタッフとともに依存症からの回復を目指していきます。
自助グループと医療機関の中間的なイメージが分かりやすいかもしれません。
私たちヒューマンアルバもここに分類されます。
施設ごとにプログラム概要は異なりますが、依存症回復プログラムをはじめ、住居支援や就労支援などにも力を入れているのが特徴です。
料金に関して、こちらも施設や組織ごとに変わってきますが、寄付や無料という形式で運営されている団体もあれば月額30万円以上する施設もあります。
ただし、料金が高くても、それだけプログラムや立地、環境づくりに配慮していることも考えられるため、依存症の方自身の状況に照らし合わせ判断することが大切です。
施設のスタッフの方にはかつて自分も依存症だったという方が少なくないため、個人的な悩みや相談なども気兼ねなくできるのではないでしょうか。
④支援団体
支援団体は、依存症問題に関する啓発活動や情報提供、また依存症者ご本人はもちろん、その家族からの相談対応などに取り組む団体が含まれます。
NPO団体として活動する場合が多く見られます。
専門の医療機関や自助グループ、施設でも相談窓口を設けているので明確な線引きは難しいのですが、治療機関のサポート役を担う補完的な存在のイメージが近いかもしれません。
治療以外のことに関する相談組織
①行政機関
ギャンブルはもちろん、依存症問題に取り組む行政機関は、都道府県及び政令指定都市の精神保健センター(こころの健康センター)、保健所が挙げられます。
精神保健センターと保健所の両者とも、主に電話による相談業務、施設紹介、啓蒙活動を中心に活動しています。
相談や啓発イベントに料金はかからず、各自治体に設置されているため、手軽に利用可能です。
実際にお電話やその他ご相談がある方は、お住まいの自治体のホームページからアクセスしてみてください。
福祉関連の窓口では、相談内容によって急に入院や逮捕いったケースにはならないのでご心配は必要ありません。
②借金問題に対する相談窓口
ギャンブル依存症では、依存症の治療はもちろん、ギャンブル行為が原因の借金についてもその対応を知る必要があります。
この記事で個別にご紹介すると、少々混乱してしまうかもしれません。
ここでは参考リンクを載せておきます。ご関心のある方は、下記からご確認ください。
参考:ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ (2018.03.30) 内閣官房,警察庁,厚生労働省など
借金の債務整理やヤミ金融についてなど、状況に応じてどこに電話すれば良いのか国側でまとめてくれています。
自助グループなど同じ目線で語り合えるグループの連絡先も載っています。
相談は基本無料になっています。
2. まとめ
今回は、ギャンブル依存症を専門とする各機関について整理していきました。
改めて内容を3点にまとめたいと思います。
- ①ギャンブル依存症の相談機関は大きく治療と治療以外の窓口で分けられる。
- ②治療に関する窓口は、依存症当事者の問題からその家族のケアまで多岐にわたる。
- ③治療以外の窓口では、「お金の問題」や「依存症に関する教育」などが扱われる。
「ギャンブル依存」という問題はまだまだ対応すべき課題が山積みである一方、少しずつ専門の組織や団体が活動の幅を広げ、数自体も増えてきています。
1人で問題を抱え込まず、ぜひ上記の内容を参考にご相談してみてください。
私たちヒューマンアルバでも無料で相談を受け付けております。
ぜひ一度ご連絡ください。
お問い合わせはこちらから↓
社名: 株式会社ヒューマンアルバ
住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7
TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)
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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会』を開催しております。
依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。
・つらい思いを吐き出す場として
・状況を変えていく学びの場として
ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)
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参考:
ライター名: ブランコ先生