2018/07/10

アルコール依存症の治療について、段階を追ってご説明します!

困難 よじ登る

「家族がアルコール依存症かもしれないです...。」

 

「息子がアルコール依存症です。彼自身に治療の決断をしてほしいです...。」

 

アルコール依存症当事者に対して一般的にはどんな治療が行われるのかご存知ですか?

 

どの段階でどのような治療法があるかご存知でしょうか?

 

この記事では「アルコール依存症の治療」について段階を追って、説明していきます。

 

目次

 

1. アルコール依存症の治療|段階①断酒

治療を行う際、まず初めに行うことは、断酒により身体からアルコールを抜くことです。

 

はじめに断酒を行う理由は大きく2つあります。

 

1つめは、断酒教育をする際、精神療法やカウンセリングを行う際、アルコールのない状態で、行う方が効果的だからです。

 

例えば、アルコールで酔っている状態では、カウンセリング等を行ってもそのこと自体をアルコール依存症当事者が覚えていない可能性もあります。

 

そのため、アルコールをまず抜いたうえでこれらの治療を行います。

 

2つめは、アルコールを過剰摂取したことで、肝臓やすい臓へ何らかの障害が起きていたり、内臓全体が弱っているため、下痢などを起こしやすくなっている可能性があるからです。

 

アルコールの摂取を止めることで、まずは身体の回復を目指します。

 

実際のアルコール依存症の治療は、専門医の診断を経て、本人の状態により3ヶ月の入院や外来通院などを行います。

 

基本的には本人の同意が必要ですが、家族の承諾のもと、対象者に入院をお願いすることも可能です。

 

アルコール依存症当事者の家族は、依存症当事者との関わりの中で疲弊している可能性もあります。

 

依存症当事者も「本当はお酒をやめたいけど、やめられない」と悩んでいる場合がほとんどです。

 

そのため、入院により集中的にアルコール依存症を治療するのも、アルコール依存症当事者やその家族の状況によっては効果的なケースがあります。

 

「入院して治療を行うかどうか」という問題の答えは、1人ひとりによって状況は違うと思います。

 

お悩みの方はぜひ、第三者にご相談ください。

 

具体的には依存症専門病院や依存症回復施設、保健所、精神保健福祉センター等が挙げられます。

 

2. アルコール依存症の治療|段階②自助グループ参加

仲間たち

断酒による治療を行った後、医師や治療関係者を交えた体験者同士のミーティングを行います。

 

その中では、回復や起伏に向けた教育や指導が行われます。

 

なお、アルコール依存症当事者の状況によっては、断酒ではなく減酒の場合もあります。

 

治療初期の「断酒」では、当事者は「命より大事な酒」を取り上げられたことでイライラが募り、周囲への反発を始めます。

 

断酒することで、今まで抱えていたきた「苦しみ」や「悲しみ」、「むなしさ」が押し寄せ、「不快感」や「焦燥感」を感じることがあります。

 

人によっては、アルコール断酒時期の離脱症状により、吐き気や不眠症状を生じるケースがあります。

 

アルコール依存症当事者の不安を緩和する手段として自助グループへの参加が挙げられます。

 

自助グループは、依存症など、共通の問題や悩みを抱えた人たちが、その問題の解決のため支え合っていく集団です。

 

自助グループに参加する中で、アルコール依存症のメンバーの話を聞き、自分の問題を話します。

 

お互いに共感しながら、飲酒をやめられない自分を見つめ、自覚を深め、回復を目指します。

 

病院だと、つい主治医の手前「俺はアルコールをやめる」と言って、結局自分にプレッシャーを感じるんだけど、自助グループなら、「やめたいんだけどやめられない」ことを正直に話せるんだ。

 

実際に参加した方はこのように話しています。

 

また、自助グループの参加を通して自分自身の問題にも気づきやすいといいます。

 

事情グループに参加している他のメンバーの話や行動から、「自分と似ているかもしれない」と気づき、自分の問題を客観的にみることができるようになります。

 

同じような悩みを持つ人との出会いを通して、「悩んでいるのは自分だけではない」と感じることができるでしょう。

 

アルコール依存症の他のメンバーを支えることで、「自分は誰かの訳にたてる価値のある人間だ」と実感できる可能性があります。

 

誰かの役に立てるかもしれないと実感することで、少しずつ「自分は生きていてもいいんだ」と自分や将来に希望を持てるかもしれません。

 

病院では、当事者に対して、断酒や自助グループの参加を勧めるだけでなく、断酒教育やカウンセリング、薬物療法(抗酒剤)などを組み合わせた治療を行います。

 

3. まとめ

幸せのハート

これまでの話をまとめます。

 

  • ①アルコール依存症治療では、断酒があります。断酒により、これ以上自分を傷つけないようにし、以後の治療体制を整えます。

  • ②アルコール依存症治療では、自助グループの参加があります。自助グループの参加で、孤独感の緩和や客観的な気づきが得られるでしょう。

  • ③アルコール治療は断酒と自助グループの参加など、いくつかの治療法を組み合わせて行います。

 

私たちヒューマンアルバでは、依存症から回復するための様々な治療プログラムを提供しています。

 

また、依存症当事者のその後の進路を考えるため、就労支援プログラムを提供しています。

 

小さなお悩みでも構いません。

 

ぜひ一度ご相談ください。

 

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社名: 株式会社ヒューマンアルバ

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

 

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

・榎本稔 『よくわかる 依存症 (こころのクスリBOOKS)』(2016) 主婦の友社

・小杉好弘 『アルコール依存症がよくわかる本ー正しい理解と回復のための68ケース』(2011)中央法規出版社

 

ライター名: ヒューマンアルバ編集部