依存症にも種類がある?|なってしまう原因と対策
「依存症って病気? どんな種類があるのだろう。」
そんな疑問をお持ちではありませんか。
依存症はいまや誰にでも知られ、身近なワードとなりましたが、その種類や分類、対策など詳細にご存知の方は少ないのではないでしょうか。
実は、依存症は一般的に知られているよりもたくさんの種類が存在していて、依存症になりやすいタイプの方というのも存在しています。
この記事では、依存症の種類と原因、なりやすい方のタイプ、その対策までお伝えします。
「依存症」について少しでも情報を求めている方、そんなあなたの力になれば幸いです。
目次
1. 依存症とは
依存症とは、「○○をやめたいと思っているにも関わらず、自分の意思ではやめられず、社会生活に支障をきたしてしまう病気」です。
依存症にかかると、睡眠や食事がおろそかになり、生活や自身の健康に悪影響を及ぼします。
また、家族や友人、周囲の人への影響も少なくありません。
嘘を付きやすくなる、借金をしてしまう、金遣いが荒くなるという事例も見られています。
依存症は、本人の意思だけでは止められない病気です。
より深刻な状況に陥る前に、専門的な治療を受けるようにしましょう。
2. 依存症の種類
依存症は3種類に分けることができます。
①物質への依存
食べ物や飲み物、薬を摂取することで、肉体的な快楽や刺激が得られるものが物質への依存に分類できます。
薬物だけでなく、お酒やたばこ、カフェインなど、私たちが普段から接している嗜好品も、時にはここに分類されます。
これらから得られる効果によって、一時的な現実逃避をしようとします。
・アルコール
・ドラッグ
(覚せい剤・コカイン・麻薬・大麻・アヘン・シンナー)
・処方薬・市販薬
・ニコチン
・カフェイン
・過食・拒食・ダイエット
②プロセスへの依存
特定の行為(プロセス)をする過程で得られる興奮や刺激を求めて、その行為にのめり込み、堪え難い不快な感情をコントロールしようとします。
行為の結果について興味はなく、その行為を行うことに対して依存している状態です。
終わった後はたいてい後悔します。
・ギャンブル ・買い物・浪費・借金
・万引き ・インターネット
・痴漢 ・暴力
・自傷行為 ・放火・強盗
・仕事・運動 ・恋愛・セックス
・SNS(LINE) ・ゲーム(ポケモンGOなど)
③人への依存(対人依存)
ふつう私たちは対等な人間関係で支え合いますが、対人依存の場合は、その相手にしがみつくか、支配しようとするという上下関係で繋がります。
背景には「困難な現実に直面した時に誰かに頼りたい」あるいは「誰かに評価されることによって安心したい」という心理的不安が考えられます。
・世話型
・職場
・虐待
・パトロン
・共依存
・教祖
3. 依存症になってしまう原因、かかりやすい人とは
依存症の原因はさびしさにあります。
人は、底知れないさびしさや満たされない感情を埋めようとしてモノや人で「安心」を得ようとするのです。
しかし、本当の安心は得られず、さびしさを埋め続けようとエスカレートしていきます。
これが依存の始まりです。
次に、こんな人は依存症になりやすいという10タイプを紹介します。
医学的根拠はありませんが、どのタイプもさびしさや生き辛さをかかえ、依存に向かいやすいタイプと言われています。
依存と攻撃タイプ
本当はできもしないことを吹聴したり、大事なことを自分では決められず責任ある行動をとることが苦手だったりなど、情緒不安定でいつも誰か(何か)に頼ろうとする傾向があるタイプです。
アダルト・チルドレンタイプ
世話好きで、なんでも先回りする親に育てられた自立できない子どもや、共依存の関係にある人など、見捨てられたくないと思っている気持ちが強いタイプです。
ノーと言えないイエスマンタイプ
人から誘われると断れない性格のタイプです。
「ノーと言ったら嫌われるのでは」「仲間はずれにされるのでは」という気持ちが人より強いタイプとも言えます。
対人緊張タイプ
人付き合いやコミュニケーションの苦手意識が強いタイプです。
気弱な逃げ腰タイプ
自分にとって都合の悪い人や苦手なことがあるとその場の逃避をすぐ考えてしまうタイプです。
「逃げ込める場所」として何かにすぐ依存してしまいます。
定年後、子育て後空の巣タイプ
勤勉に仕事をしてきた後や子育て期間が終了した人です。
どこか自分が取り残されたように感じ、その気持ちから依存に走りやすくなります。
自己評価が低いタイプ
何事に対しても自信がないタイプです。
失敗を強く恐れるため、一人で手軽にできて自分主人公になれるゲームやパチンコにははまりやすいといえます。
衝動的になりやすいタイプ
衝動的ですぐにかっとなるタイプです。
人の話を聞く耳を持たず、じっくり話し合うことができません。
プレッシャーに弱いタイプ
周囲の期待を強く感じすぎるタイプです。
失敗したらどうしようという強い不安から依存に陥りやすいです。
融通がきかない頑固者タイプ
頑固者も依存症に多いタイプです。
周りの人と多く衝突し、それゆえ生き辛さを強く抱えてしまいます。
4. 依存症の対策
依存症の回復や、対策を行うにはどうすれば良いのでしょうか。
一度覚えた快楽や満たされる気持ちを、ふとしたきっかけで脳が思い出してしまうため、対象物への依存を一度は辞めることができても、辞め続けることは難しいでしょう。
しかし、適切な指導を受け続け依存物に頼らない生活を繰り返せば何の問題もない生活を送るまで回復させることが可能です。
回復に向けた対策として、4種類の取り組みがあります。
・保健所
・精神保健福祉センター
・自助グループ・リハビリ施設
・家族会・家族の自助グループ
依存症は第三者の団体の手を借りることで必ず回復できる病気です。
諦める前に対策を打ちましょう。
5. まとめ
依存症は、様々な要因が重なって起こるものだということが分かりました。
最後に、改めて内容を振り返っていきましょう。
- ①依存症は「やめたくてもやめられない、社会生活に支障をきたしてしまう病気」です。
- ②依存症は物質・非物質、プロセス・人への依存の3種類に分けられます。
- ③依存症になる原因は「寂しさ」等の満たされない感情にあります。
私たちヒューマンアルバでは、依存症の回復に向けて様々な治療プログラムを提供しています。
どんな小さなお悩みも、あなたの意見を尊重しながら、回復に向けて共に歩んでいきます。
相談の際には、必ずあなた、またはあなたの大事な方の回復のために力を尽くします。
どうぞお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらから↓
社名: 株式会社ヒューマンアルバ
住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7
TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)
----------------------------------------------------------------------
ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会』を開催しております。
依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。
・つらい思いを吐き出す場として
・状況を変えていく学びの場として
ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)
----------------------------------------------------------------------
参考:
・渡辺登『依存症の全てがわかる本』(2007) 講談社
・榎本稔『よくわかる依存症』(2016) 主婦の友社
ライター名: 木原彩